ただ歩くだけじゃ足りない?歩く“速度”が健康寿命を左右する理由
はじめに:毎日歩いているのに、なぜ疲れやすい?
「毎日歩いているから大丈夫」と思っていませんか?実は、歩いているだけでは体力や健康を十分に維持できないことがあります。
特に中高年以降は、『歩く速さ』が健康に大きく関わることがわかってきました。
今回は『歩く速度』がなぜ重要なのか、そして自分の歩き方を見直すポイントについて解説します。
歩行速度は“健康のバロメーター”
歩行速度は健康状態を反映するバロメーターとして、近年多くの研究で注目されています。
速く歩ける人は筋力や心肺機能が良好で、認知機能の低下リスクも少ないという結果が報告されています。
一方で、年齢とともに歩行速度は自然に遅くなりますが、その速度があまりにも遅くなると、転倒や要介護リスクが高まることも指摘されています。
つまり、「ただ歩く」だけでなく「どれくらいの速度で歩くか」が健康維持に大きな意味を持つのです。
歩く速さで何が変わる?具体的なメリット
速く歩くことで、以下のような効果が期待できます。
筋力の維持・強化
速い歩行は足の筋肉をしっかり使うため、筋力維持に役立ちます。
心肺機能の向上
速いペースで歩くことで心肺に適度な負荷がかかり、持久力が高まります。
認知機能のサポート
歩行速度の速さは認知機能低下の予防とも関係するとされており、脳への刺激にもなります。
また、歩行速度が遅い人は転倒のリスクや要介護になる確率が高いとされるため、速さは転ばない体づくりにもつながります。
あなたの歩行速度は大丈夫?セルフチェック法
自分の歩く速度を簡単にチェックする方法があります。
4メートル歩行テスト
平らな場所で4mを歩く時間を測り、秒速や時速に換算します。
たとえば、横断歩道を安全に渡るために必要な歩行速度は、
一般的に 時速4.8km(=約1.3m/秒) と言われています。
これは、10メートルを約7〜8秒以内で歩く速さに相当します。
目安としては、
- 7秒以内(1.4m/秒前後):一般的な屋外歩行や信号を十分に渡れる速さ
- 10秒前後(1.0m/秒):屋内や短距離の移動は問題ないが、外出時は注意が必要
- 15秒以上(0.7m/秒以下):転倒リスクが高く、生活動作にも支障が出やすい状態
10メートルを歩く速さは、「体力」「バランス」「筋力」などの総合的な指標になります。
定期的に測定して、少しずつ速く・安定して歩けるようになることを目標にしましょう。
注意したいサイン
「つまずきやすい」「ふらつく」「息切れする」などがある場合は要注意です。
もし心配な方は、かかりつけ医やリハビリ専門スタッフに相談しましょう。
速く歩くにはコツがある!正しいフォームと練習法
速く歩くためには、ただ急ぐだけでなく、正しい歩き方を意識することが大切です。
歩幅を広げる
小刻みな歩きではなく、足をしっかり前に出しましょう。
腕を大きく振る
腕をしっかり振ることで、自然と体が前に進みやすくなります。
視線は前方をまっすぐに
下ばかり見ず、姿勢を正して視線を前に。
また、「少し息が弾む」くらいの速度を目安にすると良いでしょう。
歩くスピードを上げるための簡単なトレーニング
歩く速度を上げるには、筋力やバランスを鍛えることが欠かせません。特に次の部位のトレーニングがおすすめです。
殿筋(お尻の筋肉)
歩行の安定性に重要。
太もも(大腿四頭筋など)
足をしっかり前に出す力を支える。
体幹(腹筋・背筋)
姿勢を保つために必要。
簡単なスクワットやお尻歩き、体幹のゆるやかなトレーニングから始めてみましょう。
続けやすいように、毎日5分程度の習慣化が効果的です。
まとめ:今日から「ただ歩く」から「目的を持って歩く」へ
歩くことは健康の基本ですが、「ただ歩くだけ」ではなく、「速さ」を意識することで、より大きな健康効果が期待できます。
自分に合った歩くペースを見つけ、正しいフォームやトレーニングを取り入れて、毎日の散歩を健康的な時間に変えてみてください。
当院のリハビリ動画も活用しながら、一緒に健康寿命を延ばしていきましょう!
