大腸がんの早期発見は死亡率低下につながる?大腸カメラ検査の役割を医療機関が解説
大腸がんは40歳代から罹患(発症)率が急増し、60代でピークを迎える年齢依存性の高い癌です。
特に60代以上で全体の約30%を占めるため、40代以降の定期的な検診が推奨されています。
年齢別罹患の特徴
- 40歳代から増加: 20〜30代は少ないですが、40歳を超えると罹患数が急増します。
- 60代がピーク: 60代で発症が最多となり、高齢になるほどリスクが高くなります。
- 男女比: 男性10人に1人、女性13人に1人が生涯で発症します。
- 若年発症の増加: 頻度は高くないものの、50歳未満の若年発症も日本を含めて増加傾向にあります。
40歳を過ぎたら定期的な大腸がん検診(便潜血検査など)を受けることをおすすめします。
大腸がん検診は死亡率低下につながるという研究があります
大腸がん検診には、「大腸がんによる死亡を減らす可能性がある」という
科学的な研究結果がこれまでに数多く報告されています。
海外で行われた大規模な研究を紹介
【研究①】
便に血が混じっていないかを調べる検査(便潜血検査)を定期的に行ったグループは、
行わなかったグループに比べて、大腸がんによる死亡が約30%以上少なかったと報告されています。
Mandel JS, Bond JH, Church TR, Snover DC, Bradley GM, Schuman LM, Ederer F.
Reducing mortality from colorectal cancer by screening for fecal occult blood.
N Engl J Med. 1993 May 13;328(19):1365-71.
doi: 10.1056/NEJM199305133281901.
PMID: 8474513.
【研究②】
内視鏡大腸カメラを用いてポリープを切除した方を長期間追跡した研究では、
大腸がんによる死亡が少なかったことも示されています。
Zauber AG, Winawer SJ, O’Brien MJ, Lansdorp-Vogelaar I, van Ballegooijen M, Hankey BF, Shi W, Bond JH, Schapiro M, Panish JF, Stewart ET, Waye JD.
Colonoscopic polypectomy and long-term prevention of colorectal-cancer deaths.
N Engl J Med. 2012 Feb 23;366(8):687-96.
doi: 10.1056/NEJMoa1100370.
PMID: 22356322.
【研究③】
一般の方を対象に「大腸カメラ検診を受けるように勧めたグループ」と「勧めなかったグループ」を比較した研究も行われています。
この研究では、大腸がんになる人の数は少なくなる傾向が示されました。
Bretthauer M, Løberg M, Wieszczy P, et al.
Effect of colonoscopy screening on risks of colorectal cancer and related death.
N Engl J Med. 2022 Oct 9;387:1547-1556.
doi: 10.1056/NEJMoa2208375.
PMID: 36214590.
このように、大腸がん検診は一つの検査だけで評価されるものではなく、便潜血検査や内視鏡検査などを組み合わせた“検診全体”として、早期発見や死亡率低下に役立つ可能性があると考えられています。
つまり、症状が出る前の段階で検査を受けることが、将来の健康を守ることにつながると期待されています。
なぜ早期発見が死亡率低下につながるのか
大腸がんは、早い段階で見つけることができれば、その後の経過が大きく変わる可能性があります。
早期発見のメリット
まず、早期の大腸がんは、がんが腸の表面にとどまっていることが多く、体への負担が少ない治療で対応できる場合があります。
内視鏡で切除できるケースや、手術が必要な場合でも比較的範囲の小さい治療で済むことがあります。
一方、進行した大腸がんでは、がんが腸の深い部分まで広がったり、リンパ節や他の臓器に転移していることもあります。
このような場合は、手術の範囲が広くなったり、抗がん剤治療などが必要になることもあります。
つまり、症状が出る前の段階で見つけることができれば、治療の選択肢が広がり、体への負担を抑えられる可能性が高くなります。
こうした理由から、大腸がんは「早期発見がとても重要ながん」の一つといわれています。
大腸カメラ検査はどのように早期発見に役立つのか
大腸カメラ検査は、肛門から細い内視鏡を入れて、大腸の中を直接観察する検査です。
画像で大腸の粘膜の状態を詳しく確認できるため、小さながんや初期の変化を見つけやすいという特徴があります。
大腸がんは、いきなり発生するのではなく、ポリープと呼ばれる隆起した病変が徐々に大きくなり、がんに進展していくことがあると考えられています。
大腸カメラ検査では、このような将来がんになる可能性のある「前がん病変」を見つけることができます。
また、病変の大きさや形によっては、検査と同時に内視鏡で切除できる場合もあります。
このように、大腸カメラ検査は「見つけるだけでなく、その後の対応につながる情報を得られる検査」であることも大きな特徴です。
症状がない段階でも大腸の状態を確認できるため、早期発見のための重要な検査のひとつといわれています。
検査を検討すべきタイミング
大腸カメラ検査は、「症状が出てから受ける検査」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかし実際には、症状がない段階で検査を検討することが大切です。
例えば、次のようなタイミングでは一度検査について相談することがすすめられます。
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40歳を過ぎて一度も大腸カメラ検査を受けたことがない
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健康診断や人間ドックで便潜血検査が陽性といわれた
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血便や便に血が混じることがある
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原因不明の貧血を指摘された
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便秘や下痢などの便通異常が続いている
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ご家族に大腸がんの既往がある
このような変化がある場合、必ずしも大腸がんが原因とは限りませんが、大腸の状態を確認することで安心につながることもあります。
また、特に症状がなくても、年齢や体調の変化をきっかけに検査を検討される方も増えています。
ご自身の健康状態を見直す機会として、検査について医療機関に相談してみることも大切です。
当院で行っている大腸カメラ検査について
当院でも大腸カメラ検査を行っています。
検査では、大腸の粘膜の状態を直接確認し、小さな病変やポリープの有無を評価します。
病変の大きさや状態によっては、日帰りで対応可能な範囲で処置を行う場合もあります。
「症状はないけれど一度検査を受けてみたい」「健診で異常を指摘された」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。
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